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第2章09 [宇宙人になっちまった]

「凄い! すぐに返事があったわ。いつでも参加オーケーだってさ。携帯より早くてびっくりだわ」
 夢実は嬉しそうに言った。
「それではエフを加えたここにいる全員参加でいいだろうか? まさかこんなことになるとは夢にも思わなかったよ。昼に病院近くのそば屋で飯食ったのが遙か遠い昔のことのようだよ。皆も同じだと思う。こんなことが現実にあるなんて、今まで俺は何を見てきたのかと思うよ。
 さて、それじゃ本題に入ろう。会の名前は今まで通り君たちの通称で、ユニコ会でいいね。それから会の目的だがね、今までは医療目的だったけどね、これからは違うだろう。行方不明の三人のことを考えても、第一の目的は君たちの安全だろう。悪魔に狙われてるからって誰も守ってくれないからね。自分たちで守るしかないだろう。二つ目は、エフの言葉に従えば悪魔退治? かな。攻撃は最大の防御って言うからね。逃げてばかりではいつまで経っても解決しないだろう。三つ目は、何かあるかな?」
 後藤ドクターはそこで言葉を切った。
「あの、僕たちの脳をもっと研究して、能力とか可能性とかを科学的に調べて欲しいと思います。それとエフに宇宙人になるって言われたことが心配です。僕は人間のままがいいんです」
 大人しそうな窪田という男子が言った。
「私もあります」
 夢実が絵里子に促されるように手を挙げた。
「あの、父親が同じってことが気になっていて、父探しもしたいです。だって私たち異母兄弟なんでしょう? 本当なのか知りたいです。異母兄弟ってもしかしたら恋愛タブーでしょ」 
 夢実が絵里子を見ながら言った。絵里子の関心事は恋愛関係のようだ。サードブレインが兄弟姉妹ならそうじゃない絵里子はここで有利に振る舞える。
「他に何かあるかな。無ければ脳研究と父親探しを加えて四つの目的で行動しよう。今までは月一回の定例会だったけど、それじゃ少ない。毎週ここに集まろう。とにかく連絡を密に取り合うことが安全のために必要だろう。それに、住所の近いもの同士で班を作ればもっと緊密に出来るだろう。仲間の少しの変化も見逃さないようにするためだ。三人の二の舞はごめんだからね。もし危険なことがあったらエフと仲間に伝えること。それにあと八時間で君たちのサードブレインは完成だったね。この次出会うときどうなっているか医者としては少々不安だが期待もしている。もし何か気になることがあったらいつでもいいから連絡してくれ」

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