ブレインハッカー 第10章 研究所(1) [小説 < ブレインハッカー >]
あなたの運動改革します! カラダトレーナー ホワイト
セガトイズ
本品を購入し使い始めたところ、走り始めてからすぐに「もっと弱く運動して下さい」とナビが入りました。ほとんど歩くような速度まで落としたところ、「とても良い状態」に。走っている気がせず、ちょっとでも速度をあげるとすぐに「もっと弱く」ときます。本当にこれでよいのかと思っていましたが、終わってみると長時間、長距離を走ることができていました。なにしろ、心拍数がターゲットゾーンを越えたまま5分走ると電源が落ちてしまい、ipodで音楽も聴けなくなるため、従わざるをえません(笑)息もあがらないので、フォームも意識することができました。
研究所(1)
研究所の入り口には小さな建物があり、そこから先に入るのは容易なことではない。ガードマンが目を光らせ、厳重なセキュリティチェックがある。昼頃に西山から、達夫たちが研究所に行く可能性があると連絡が入っていた。
ガードマンは通常の見回りを倍に増やして対応していたがそれ程の緊張感は無い。この山奥の研究施設がそれ程重要なところとは考えていなかったのだ。この研究所の本当の顔を知っているのはボディガードと、研究者だけだった。
達夫たちは徒歩で進み、いよいよ入り口にある建物が見える位置に来ていた。
「あそこに見える建物にガードマンが二人います。入り口の扉のスイッチは建物の中で、一人が外に出て、一人は中で待機します。由美さんと昭彦が道に迷ったカップルの振りをして扉に近づいてください。一人が出てきたら昭彦は例の催眠術で扉を開けるようにしてくれ」
と達夫が声をひそめて言い、由美と昭彦は黙って頷いた。
「扉が開いたら全員入る。入ってからは決めた通りにしてください。それじゃ、やりましょう。何があっても大丈夫です。私が絶対守りますから」
達夫はそう言うと皆を見た。
村木が、
「よっしゃ」
と小さく応え、皆は黙って頷いた。
まず、由美と昭彦が門の前に歩いていった。
「すみません、電話を貸していただけますか」
と由美が扉の前で大きな声で呼びかけた。
「どうしましたか?」
と口髭を生やした背の高い外人が建物から出てきて流暢な日本語で聞いた。
「車が溝に落ちたのでですが、携帯も圏外で使えないんです。電話をお借りして友達を呼びたいのですが」
と説明し、昭彦を友達だと言った。
警備員が、
「ちょっと待って」
と建物の中に入ろうとしたとき、
「すみません」
と昭彦が声をかけた。
警備員が振り向いたその一瞬の隙を狙って催眠術をかけた。
振り向いたまま黙って昭彦を見ていたが、笑顔になって、
「オーケー、オープン」
と相棒に合図を送った。建物の中の警備員が不審そうな表情を浮かべながら扉を開け始めると、由美は中に入り笑顔の警備員に抱きついた。昭彦も親しそうに警備員に近づくと握手をして見せた。
昭彦は嬉しそうに、
「サンキュー、サンキュー」
を繰り返しながら、建物の中の警備員に近づくと
「オー」
と大きな声を出した。二人目もいとも簡単に昭彦の術にかかってしまい、
完全に扉が開くと達夫たちが駆け込んできた。
「見事なもんだねぇ、さすが昭彦さんだ。これなら日本銀行だって入れるね」
と村木が愉快そうに笑った。
「喜んでる場合じゃないですよ、大変なのはこれからです」
と達夫が言うと、
「この催眠はいつまで持つか分かりませんから、とりあえず二人を何かで縛ってください」
と昭彦が言った。
竜太郎が、
「ここは俺に任せて」
と言うとベルトと電気コードで要領よく二人を縛り上げ拳銃を取り上げた。一丁は竜太郎がも持ち、もう一つは達夫が持って建物の中に入っていった。
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