修練(3) [小説 < ブレインハッカー >]
■世界最小クラス
サイズは72×22×15mmと、タバコと比べてもまさに100円ライターと見間違えちゃうほど!バッテリーはUSB充電で外部電源が不要。今回のモデルは内蔵メモリーも1GBも搭載しているから、スグに撮影が出来ちゃいます。さらに、microSDカード(別売)をスロットにセット→最大2GBまで対応。これだけでムービーを撮影することができます。会議や取材などの回数が多くて記録が追いつかない…という人に超オススメ。
■超ロング撮影!
内蔵メモリー1GBで、最大約3時間も撮影可能。microSDカードは、128MB~2GBの大容量にまで幅広く対応しています。長~い会議にも十分に対応出来るし、気になるシーンもバッチリ撮影出来ちゃいます。
修練(3)
達夫は儀策の顔を見ると、
「親父、そろそろ行くよ。静恵がやきもきしてるからね」
と言うと腰を上げ、両手を大きく夜明けの空に向かって伸ばした。
儀策も同じように伸びをすると、
「わしはもうなにもしてやれんが、修練を忘れなければ大丈夫じゃ」
と言った。
山道を下る達夫の足元を朝露が濡らす。深く茂った熊笹の向こうは白い靄がかかり幻想的な雰囲気を感じさせるが、その靄の向こうに何があるのか、何が見えてくるのか。何事もなく暮らす毎日は平和に思えるが、霞の向こうにあるものが見える人は誰もいない。気づかないうちに何かが起こり、突然最後のカードを突きつけられることだってある。
科学の進歩が人類にもたらしたものは………。それは一人の人間に人類を滅ぼす力を与えたといってもよい。個人の狂気や悪意によって強力な殺人ウィルスを撒き散らすことも、核弾頭の雨を降らすことも可能となったのだ。眠っている間にウィルスがジェット気流に乗って世界の空を覆い尽くすことも、最後のボタンに手が伸びることもあるのだ。
達夫が童子と見た地球は、あらゆる生命体が消滅し死の星となってしまった姿だった。太陽だって地球だって永遠であるはずはない。いずれ滅びることは解っているが、いま達夫の目前で起こっていることは、生命の本質を知らぬまま意のままに操ろうとする者の傲慢が招き寄せていることである。
細胞が自殺するアポトーシス連鎖の拡大は未知数である。個体から個体へと連鎖が広がる可能性も他の動植物に広がることも否定できない。そうなれば地球は死の星となる。人類の運命が達夫の双肩にかかっているといえばオーバーだか、事実なのだ。無名の青年にすべてが託されている事実を世間は誰も知らない。
創作小説ランキングサイトに登録しました。よろしければ下記リンクをクリックお願いします。http://www.webstation.jp/syousetu/rank.cgi?mode=r_link&id=3967
コメント 0