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終章(2) [小説 < ブレインハッカー >]

パワーサポート クリスタルフィルムセット for iPhone 3G PPC-01

 

パワーサポート クリスタルフィルムセット for iPhone 3G PPC-01
美しく反射するiPhone用クリスタルフィルムセット。
パッケージデザイン、品質、共に文句なしに高い。
ほこり除去用シートが同梱されており、埃一つ入れずに簡単に貼ることができたのも好印象。
過去に保護フィルムに埃が混じって苦い思いをした経験がある方にお勧めしたい。(レビューより)

 

 

                                       終章(2)

 この研究所では研究員意外と接する機会はほとんど無いが、何かの間違いで二人っきりになった時間があったのだ。そのときにベトナム戦争で行方不明になっていたということを知った。

 救出されたと思ったらアメリカには帰れず、軟禁状態で過ごしてきたと言う。監視付きだが繁華街で遊んだこともあり、慣れればそれはそれで快適に感じたこともあったらしい。それにアメリカの特別な研究に協力している喜びもあったし、いずれ研究が終われば、十分な報酬と自由な生活が待っていると思っていたのだ。

 全ては研究を秘密に行うために必要なことと洗脳され、それを信じていたのだ。だがここに来てそれが嘘だったことに気づいた。ジェフは、自分は歳だからもう逃げられないが、君なら出来るはずだ、どんな方法でもいいからここから逃げなさいと言ってくれた。ここにいたら必ず殺される。殺されないとしたら、それは悪魔になって生きることだとも言った。そして、ここに俺がいたことを忘れないで欲しいと言ったのだ。もし逃げられたらアメリカの友達に俺が生きていたことを知らせて欲しいと……。

「みんな集まったわ、これで全員よ」
 とジュリアが達夫を急かした。達夫はジェフが生きた証の小さな紙切れを握りしめると最後の仕事にかかった。データーだ。ここの研究を暴露するための証拠が必要だった。重要な資料の保存場所はジュリアが知っているが量が多い。ぐずぐずしていると逃げ出した研究員が連絡を取り応援の部隊が来るかもしれないし、西山も仲間を連れてやって来るに違いない。

 達夫はデーターを分散させるために、一部を教授の部屋に送信し残りのデーターは持てる限り持ち出すことにした。
ジュリアは重要そうな実験記録を選び出し送信を開始した。パスワードが変更されていなかったのはラッキーだった。こんな事態になるとは思いもよらなかったに違いない。幾つかのメディアや、アメリカの研究所にも送信したかったがもう時間がない。急いでここを抜け出さなくてはならないのだ。いくら達夫に力があるといっても軍隊相手に戦うことは出来ない。ここは米軍施設内で日本ではない。射殺されても文句は言えないのだ。

「逃げましょう」
 ジュリアはそう言うと持てるだけの資料を持ち、皆もそれに従った。階段を降りると竜太郎が、
「車が来るぞ!」
 と叫んだ。
達夫が先頭に立って駆け出し外を見た。
<奴だ、西山に違いない>

 もう研究所から出る時間はない。竜太郎は逃げ出した研究員を止められなかったことを後悔した。研究員は血相を変えて飛び出し、竜太郎が大声で、
「止まれ、撃つぞ!」
 と何度叫んでも、まるで聞こえていないかのように逃げていった。竜太郎は人に向けて銃弾を発射することが出来なかったのだ。きっと車の連中に話したに違いない。そうなれば米軍に通報されることは間違いないし、三十分もあれば上空にはヘリが飛び、周辺は警察や兵隊でいっぱいになってしまう。仮に西山に見つからず研究所を抜け出ることが出来ても、この田舎道を無事に通り抜けることは不可能に近かった。しかしここにいては袋のねずみになるだけである。

 

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