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第1章27 [宇宙人になっちまった]

「殺されてもいいの?」

 エフが言うと、絵里子が夢実の手を引っ張り外に出るのを止めた。

「どうして殺されるの? 脅かしているの?」

 勝ち気な性格の絵里子はエフに食ってかかった。

「脅かしじゃないよ、本当のことだよ。僕らと親しい人間が何人もやられたんだ」

「私はエフと親しくないし友達でもないわ。関係ないって言ったでしょ」

 絵里子は語気を強めた。

「でも奴らはそう思わないよ。サードブレインは僕らの仲間なんだ」

 エフも後へ引かない

「それじゃ、どうすればいいのよ? もう帰れないってことなの?」

 絵里子は半ば諦めたように言った。話を聞いていた高校生たちも同じ気持ちなのだろう、全員の視線がエフに集まっている。

「奴らはサードブレインから放射している何かを目印にしているんだ。奴らに気づけばなんとかなるけどね、気がつかないと餌食になってしまう。君たちに会いに来たのはこのことを知って欲しかったんだ。いまじゃないと間に合わないからね」

 エフの話は高校生たちを不安にさせ、夢実は先ほどとは反対に絵里子に引っ張られるように室内に戻った。

「見つからない方法はないの?」

 夢実が訊いた。

「色々試したけどダメだったよ。いなくなった三人はサードブレインがかなり成長していたから見つかったんだ。簡単に餌食になったよ。餌食になるってね、頭を乗っ取られることなんだ。三人が君たちを脅かしたくらいですんだのはね、サードブレインがまだ完成していなかったからだと思う。もし完成していたらね、何人か殺されていたかも知れないね。三人はどこかに潜んでサードブレインの完成を待っているんだ」

 エフの話は高校生たちをざわつかせた。

「私もサードブレインが成長したら見つかるってこと? 乗っ取られて私じゃなくなるの? それで誰かを殺したりするの?」

 夢実はエフに問い詰めるように訊いた。

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