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第2章17 [メロディー・ガルドーに誘われて]


「飲んでるか?」
 カズがバスタオルを頭から被りながらリビングに入ってきた。
「これから私のUFO体験を話すところだからね、余計なこと言わないでよ」
 紗羅がカズを見ながら言うと、カズはハイハイと頭を動かしてソファーに座った。
「最初の体験は中学一年の夏、ビザールで話した通りよ。あのとき由美と私二人だけで屋上にいたら、今頃地球上にはいないかも知れないわ」
「あのときの由美ちゃんは普通じゃなかったね、俺のせいでUFOが来なかったとひどく責められたよ」
 カズは紗羅を見ながら言った。
「今は私と一緒のサークルで活動してるけどね、今でもあの日に戻ってUFOと一緒に行きたいって言うわ」
「由美さんも呼ばれてたんだね」
 祐介が言った。
「慎太郎君と同じよ、呼ばれたって言ってた」
 紗羅はそう言うとコップに手を伸ばした。
「紗羅のまわりは不思議な友達が多くて驚くよ。というか、紗羅のまわりに吸い寄せられてるような気がするよ。祐介君もまんまと吸い寄せられたようだね」
 カズはそう言うと祐介の方をポンと叩き、レコードを選びに立った。
「私もそう思うわ。だってね、別に呼びかけたわけでも探したわけでもないのに、いつの間にか同じような仲間が祐介さんを入れて三十三人ね。こんな活動をしているとね、情報が不思議といつの間にか集まるのよね」
「類は類を呼ぶか、不思議だね。同類を嗅ぎ分ける優秀なセンサーがあるんだね」
 カズは次の盤を探しながら言った。
「サークルにUFOに乗った経験のある人がいるとか言ってたよね、本当なの?」
 祐介が訊いた。
「サークル仲間でUFOに乗ったことのある人は二人いるわ。慎太郎君みたいに呼ばれたというのは同じよ。興味本位のテレビ番組や出版物で言われているような話とは全然違うわ。よくあるのは、誘拐されて体を調べられたとか、妊娠させられたって話が有名だけど、そんなことはなかった。アブダクションじゃなくて自分の意思で乗ったのよ。真偽を確かめる方法はないけど、私は本当だと思ってる」
 紗羅が言った。
「呼ばれて、誘われて、自発的に乗ったってこと?」
 祐介はソファーから身を乗り出すようにして訊いた。
「私が聞いた限りではその通りよ」
「そういう風変わりな主張をする人は、何か心理的な問題を抱えているような気がするけど、その辺りは大丈夫なの?」
 カズは心配そうに訊いた。

タグ:UFO
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ちょっと困ったなぁ [小説について]


 「メロディー・ガルドーに誘われて」を書き続けていますが、展開が地味すぎると感じています。子供の頃にUFOを見た、というのが物語の発端になるのですが、なかなか次のステージに進めません。ああだこうだと、登場人物が感想を述べ合うような退屈な展開に終始しています。動きが少ない、大きな変化もない。なんだか、つまらない会議に延々と付き合わされているような気分です。書いていてそう思うのだから、読んでいる人はなおさらだと思います。ああ、困ったなぁ。劇的な展開は思い描いているのですが、やり過ぎると、おいおい、それはあまりにも現実離れしすぎだろうと思ってしまいます。

 でも、今回はそんなことは気にせず、大胆な(自分の中では)展開、あり得ないような展開にしてみようと思っています。

 文章上達のこつは、とにかく書くとこ意外にないと思っています。質より量です。量を重ねれば、多少はじょうたつするのかなぁ・・・とかすかな希望を抱きながら今後も、楽しみながら小説を書いていこうと考えています

 最後に、なんちゃって・・・いつも書いてから恥ずかしくなるのです。



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